磁石と医療

古くから治療に使われてきた磁石

天然の磁鉄鉱が採掘されて珍重されていたころから、磁石を体に密着させると病気の治療や健康増進に効果があると信じられていました。東洋医学でもツボに永久磁石の粒を置いて腰痛や肩凝りを治療する方法が古くから伝えられています。1950年代の後半には磁気ブレスレットや磁気ネックレスが肩凝りなどに効くアクセサリーとして売り出され、ブームとなりました。

その後磁石健康ブームは下火となりますが、1961年に薬事法で「磁気治療器」という医療機器として認められ、再び磁気治療器の開発が活発になりました。現在は小さな永久磁石をばんそうこうなどで体表の患部に貼り付ける医療品が広く知られています。

なぜ効果があるとされているのか

永久磁石を体表に貼り付けるだけで肩凝りや腰痛が治るのは、血液の一部がヘモグロビンなど鉄のイオンで作られているため、磁界の中を流れると血流が促進され、固くなった筋肉がほぐされて楽になるからとされています。マッサージや温熱刺激、電気刺激などによる血行促進と基本的には同じと考えていいでしょう。

その効果を証明する方法はまだ明確になっておらず、「肩凝りが軽減した」「筋肉痛が治った」という利用者の体験談などの統計に頼るしかありません。それでは客観性や説得性に欠けるため、体表の温度変化をサーモグラフィーという画像診断装置で可視化する方法が科学的な立証方法として用いられています。